トラブル9

実家の墓への拘り

 松元町に住むYさんは最近体調が良くなく、年齢的にも弱気になってきていて、死後のことを真剣に考え始めるようになりました。そんな時市内の霊園業者から「特許を取っている納骨堂」を見学してみないかと誘いがあり、Yさん夫婦と娘さんと3人で見学に行きました。奥さんと娘さんは花を上げなくてよく、永代管理供養制度のあるこの納骨堂が気に入りましたがYさんの様子が煮え切りません。実はYさんの実家の墓が市内の坂元墓地にあり、Yさんはそこに入りたいのです。Yさんの両親は既に亡くなり、今その墓にはYさんの姉夫婦の子供が入っていることもあり、墓の近くに住む姉夫婦が見ています。しかし、姉夫婦には跡を継ぐ子供が他に無く、行く行くはYさんに墓を継いでもらいたい、自分たちの骨も見てもらおうともくろんでいます。その夜Yさん家族は議論になりました。

『奥さんの言い分』
 あなたのご両親と一緒に入るのは仕方ないことだけど義理の姉さん夫婦とまで一緒はいやよ。若いときから何かと嫌な思いばかりさせられて来たんだから、あなたには悪いんだけど死んでまで一緒に入りたくないのよ。


『娘さんの言い分』
 お父さんはそれでいいかもしれないけど子供のことも考えてよ。私はいずれ結婚するから関係ないけど、弟の孝が全部背負うことになるのよ。お父さんは長男でもないし、ほかにおじさんたちがたくさんいるんだから誰かが跡を継げばいいんじゃない。叔父さんたちだって皆そこに入る気でいるのよ。死んでまでヒ卜の世話になろうとするのっておかしいと思わない。お墓なんて夫婦単位がいいと思うな。

『Yさんの言い分』
 兄弟が皆仲良く一緒に入るのがなぜ悪い。第一それぞれに墓を造ったら無駄じゃないか。

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