Mさんは若いときにご主人を亡くしましたが、当時はまだお墓を持っでいなかったため、ご主人の実家のお墓にお骨を預かってもらいました。2人の子供をかかえ市役所に勤務しながら、早くお墓を建ててご主人のお骨を引き取りたいとずっと頑張り、努力の甲斐があり8年前にやっと建てることができました。
その時はもうご主人のご両親も亡くなり、実家のお墓はご主人のお兄さんが継いでいました。早速お兄さんにお墓を建てたことを報告し、ご主人のお骨を引き取りたいと申し出たところ、お兄さんはお墓を見に来て、変形でよくない墓だから弟の骨は返せないと言われてしまいました。子育てで忙しく、遠くもありお墓参りもあまり行けず、ご主人の実家と疎遠になっていたせいもあったと思います。
それから5年、Mさんの子供も成人し親子で協力してお墓を良い形に建て直し、やっとの思いでご主人のお骨を返してもらいました。
Mさんは今は安心して、毎週土曜日のお墓参りを楽しみにしています。
Mさんや子供さんにとってはかけがえのないご主人であり父であっでも、Mさんの義理のお兄さんにとっては弟の嫁は「他人」にしか過ぎず、兄さんにしてみれば血の繋がった弟の骨を血の紫がっていない他人のMさんに返したくないという気持ちは人情として当然で、この例のように、一旦実家の墓に納骨してしまうと、後になって返してもらうのはむずかしいようです。 |