お墓の知識9

お 盆

 

 

【お盆とは】

『お盆』は正式には『孟蘭盆会(うらぽんえ)』といい、サンスクリット語(梵語)の「ウラパンナ」を音訳したもので、先祖の霊を迎えて祀る仏教の行事です。日本では正月に次いで重要視されている年中行事で、正月が神事に対して、お盆は仏事です。 

 

【お盆の時期】

 お盆が行なわれる時期は毎年7月13日から16日までの4日間が一般的ですが、鹿児島のように1カ月遅れの8月13日から16日までの地方もあり、その他旧暦の7月15日(新暦の8月末か9月始め)を中心に行なわれる地方もあり様々です。 お盆は本来は仏教の宗教行事だったのですが、近年は働く人達の夏休み、里帰りの時期として生活習慣に根付いています。 

 

【迎え火・送り火】

 お盆には先祖の霊が灯りを頼りに帰ってくるといわれ、13日の夕刻には仏壇に盆提灯を灯し、庭先や門口で麻幹(おがら=芋殻)を焚きます。お墓で盆提灯を灯し、そこでつけた明かりを持って霊を自宅まで導く風習もあります。この明かりを『迎え火』といい、13日を『迎え盆』といいます。14日、15日は霊は家にとどまり、16日の夜、家を去り帰って行きます。
このときには、迎え火と同じように、今度は『送り火』を焚き、帰り道を照らして霊を送ります。16日を『送り盆』といいます。 鹿児島では『初盆(新盆)』のときだけ迎え火、送り火を焚く習順のようです。

 

【浄土真宗では】

 浄土真宗では、死者は全て極楽浄土に往生(極楽に生まれ変わること)すると考えられているので、お盆に霊が帰ってくるという発想はありません。寺院での法要は営みますが、迎え火、送り火は焚きません。

 

【お盆とお彼岸の墓参りの違い】

 私たち日本人は、お彼岸やお盆には多くの人がお墓参りをします。それぞれのお墓参りにはどのような意味があるのでしょうか。
 お彼岸には、ご先祖様は帰ってきません。私たちが会いにお墓の前に行きます。これがお彼岸のお墓参りです。
 一方お盆には、ご先祖様が帰って来るので、その送迎でお墓に行きます。これがお盆のお墓参りです。お墓は、「この世」と「あの世」の連絡口だからです。

お墓の知識メニューに戻る