お墓の知識4

お墓の役割と建立時期

 

 

  お墓は自分の「死後の住い」というだけではなく、先祖の供養塔という大切な役割を持っています。五輪塔は先祖供養用のお墓であり、三段石墓は自分や家族の「死後の住い」です。ですから墓地には五輪塔と三段石墓の両方を建てるのが正しいのですが、近年では省略して三段石墓だけ建てる人が多くなり、三段石墓は五輪塔の供養墓も兼ねるようになりました。
 お墓を建てる時期は、自分が先祖を供養する気持ちを持つようになったとき、先祖を供養しながら夫婦や子供達の入る準備を兼ねて、生前に建てるのが正しいのです。
 

 生前に建てるお墓を「寿陵」といいます。エジプト王のピラミッドや古代天皇の御陵がその典型で、古来から文字どおりお目出たいことでした。
 寿陵を建てたら、その後長生きをする人の方が多いといわれていますが、経済力もあり、普段から健康にも気を付け、計画性のある人生をおくる人が寿陵を建てる訳ですから当然と言えるでしょう。
 

 お墓は、本来身分のある人が生前に建てたものでしたが、江戸後期になると下級武士や商人もお墓を建てる時代になりました。しかしそれでも過去の慣習に対する遠慮から生前に自分で建てることはできず、死後何年か経ってから後継者が記念碑的に建てることの方が多かったのです。
 死後にお墓を建てる風習が残っているのはこの名残で、正しい建て方ではありません。

お墓の知識メニューに戻る